ベトナム投資法2025とは?概要と日系企業への影響
2025年12月11日、ベトナム国会は「投資法2025(法律143/2025/QH15号)」を公布しました。本法律は、ベトナムにおける投資活動の基本ルールを定める法律であり、外国企業による投資を含む国内外の投資制度の枠組みを規定しています。
本法律は2026年3月1日より正式に施行されており、現在ベトナムで事業を行う企業や、これから進出を検討している企業にとって重要な法制度となっています。特にベトナム進出や会社設立を検討する企業にとって、投資法は必ず理解しておくべき基本法律といえます。
ベトナムでは近年、外国直接投資(FDI)の拡大が続いており、製造業やIT産業を中心に多くの外国企業が進出しています。日本企業もその中で大きな存在感を持っており、ベトナム政府にとっても重要な投資パートナーの一つとなっています。
こうした背景の中で制定された投資法2025は、ベトナムの投資制度の基盤となる法律として位置付けられており、投資活動の透明性や制度の明確化を目的としています。本記事では、投資法2025の概要と主な制度内容について、日系企業の視点から分かりやすく解説します。
投資法2025のポイント
・ベトナム投資法2025(法律143/2025/QH15号)は2026年3月1日より施行
・外国企業のベトナム進出を含む投資活動の基本制度を規定
・投資禁止事業、条件付き事業、投資優遇制度などを定める基本法
投資法2025の概要
- 法律名:Luật Đầu tư 2025(投資法2025)
- 法令番号:143/2025/QH15
- 公布日:2025年12月11日
- 発行機関:ベトナム国会
- 施行日:2026年3月1日
投資法は、ベトナムにおける投資制度の中心となる法律です。外国企業によるベトナム投資を含め、国内外の投資活動に関する基本ルールが定められています。
ベトナム政府は近年、外国直接投資(FDI)の誘致を重要な経済政策として掲げており、投資制度の整備や行政手続きの透明化を進めています。今回の投資法2025も、こうした投資環境の改善を目的として制定されたものです。
特に製造業、IT産業、電子機器産業などの分野では外国企業の投資が拡大しており、日系企業もベトナム経済において重要な役割を担っています。
投資法の位置づけ
ベトナムの投資制度は、複数の法律によって構成されています。その中でも投資法は、投資活動の基本ルールを定める基幹法として位置付けられています。
投資法では主に次のような事項が規定されています。
- 外国企業によるベトナム投資
- ベトナム企業による国内投資
- ベトナム企業による海外投資
- 投資プロジェクトの登録制度
- 投資優遇制度
外国企業がベトナムで会社設立や工場建設を行う場合、この投資法に基づいた投資手続きを行う必要があります。
また、投資法は企業法、土地法、建設法などの関連法令と組み合わせて運用されており、ベトナムの投資制度の中心的な法律といえます。
投資禁止事業と条件付き事業
ベトナムでは、すべての事業分野に自由に投資できるわけではありません。法律によって事業分野は以下のように分類されています。
投資禁止事業
国家安全や社会秩序への影響を考慮し、特定の事業分野では投資が禁止されています。例えば、麻薬関連事業や危険な化学物質の製造などが該当します。
条件付き事業
一部の事業分野では、一定の条件を満たすことで投資が認められます。代表的な分野には次のようなものがあります。
- 金融業
- 教育・医療分野
- 物流・輸送
- 通信・ITサービス
- 不動産事業
これらの分野では営業許可や専門ライセンスの取得が必要になる場合があります。
投資制度の分類
ベトナムの投資制度は、大きく次の3つに分類されます。
ベトナム投資制度の分類
| 投資形態 | 内容 | 主な例 |
| 外国投資 | 外国企業がベトナムに投資 | 外資企業設立、工場建設、合弁会社 |
| 国内投資 | ベトナム企業の国内投資 | 不動産開発、工業団地開発 |
| 海外投資 | ベトナム企業の海外投資 | 海外企業設立、海外事業 |
このように投資法は外国企業の投資だけでなく、ベトナム企業による国内投資や海外投資についても規定しています。
投資優遇制度
ベトナム政府は、特定の産業や地域への投資を促進するため、さまざまな投資優遇制度を設けています。
主な優遇措置には次のようなものがあります。
- 法人所得税の減税
- 一定期間の法人税免除
- 土地使用料の減免
- 輸入関税の免除
特に以下の分野では投資優遇が適用される可能性があります。
- ハイテク産業
- 研究開発(R&D)
- 環境関連産業
- インフラ整備
- 工業団地投資
これらの優遇制度は、外国企業の投資を促進し、ベトナムの産業発展を支えることを目的としています。
日系企業への影響
投資法2025は、日本企業によるベトナム進出にも直接関係する重要な法律です。
ベトナムでは現在、多くの日系企業が製造業を中心に事業展開を行っています。電子機器、機械、部品製造などの分野では、ベトナムは重要な生産拠点となっています。
投資制度の整備により、投資手続きの透明性や制度の安定性が向上することで、外国企業にとっての事業環境の改善が期待されています。
また、投資優遇制度を活用することで、税制面などでのメリットを受けられる可能性もあります。そのため、ベトナム進出を検討する企業にとっては、投資制度の内容を事前に理解しておくことが重要です。
まとめ
法律143/2025/QH15号(投資法2025)は、ベトナムにおける投資活動の基本制度を定める重要な法律です。外国企業による投資を含め、国内外の投資制度の枠組みを規定しており、ベトナムで事業展開を行う企業にとって重要な法制度となっています。
投資法では、投資禁止事業や条件付き事業の区分、投資プロジェクトの登録制度、投資優遇制度など、ベトナムにおける投資活動の基本ルールが定められています。外国企業がベトナムで会社設立や事業展開を行う際には、これらの制度を理解した上で適切な手続きを行うことが求められます。
また、ベトナム政府は外国直接投資の誘致を引き続き重要な政策として位置付けており、投資環境の改善や行政手続きの効率化を進めています。今後も関連する政令や通達などの制度整備が進む可能性があるため、ベトナムで事業展開を検討する企業にとっては、こうした法制度の動向を継続的に確認していくことが重要といえるでしょう。
参考法令
- Luật Đầu tư 2025(法律143/2025/QH15号)
- 公布日:2025年12月11日
- 施行日:2026年3月1日
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