ベトナム進出FAQ(ベトナム改正個人所得税法について)

ベトナム進出FAQ – よくあるご質問 –

〈ベトナムに進出する企業様がお持ちの疑問点をこのページでご紹介いたします〉

2025年12月10日に可決された改正個人所得税法(PIT法)では、基礎控除・扶養控除の引上げや累進税率の再編など、個人の税負担構造に大きな変更が加えられました。これに伴い、「いつから適用されるのか」「給与計算はどう変わるのか」「企業として何を準備すべきか」といった実務的な疑問が増えています。

本項では、改正個人所得税法に関するよくある質問を中心に、制度のポイントと実務上の留意点をQ&A形式で御紹介いたします。

質問
今回の改正個人所得税法の最大のポイントは何ですか?
回答
主なポイントは、控除額の引上げと累進税率制度の簡素化です。
納税者本人および扶養家族に対する控除額が引き上げられたほか、給与・賃金所得に適用される税率区分が整理され、制度全体が分かりやすくなっています。

質問
基礎控除額はどの程度引き上げられましたか?
回答
月額1,100万VNDから1,550万VNDへ引き上げられました。
最低限の生活費水準を考慮した見直しとされており、すべての給与所得者にとって課税所得が減少する効果があります。

質問
扶養控除の対象者や条件に変更はありますか?
回答
扶養控除の対象範囲自体に大きな変更はありません。
従来どおり、一定の要件を満たす配偶者、子、両親等が対象となりますが、控除額が月額440万VNDから620万VNDへ引き上げられています。

質問
累進税率が7段階から5段階に変わると、税負担は必ず下がりますか?
回答
すべての人の税負担が一律に下がるわけではありません。
中所得層では税負担が軽減されるケースが多い一方、高所得者層については最高税率35%が維持されており、負担水準は大きく変わらないと考えられます。

質問
改正後の税率はいつから適用されますか?
回答
原則として2026年分の課税期間からの適用が予定されています。
ただし、2026年1月の給与計算から直ちに新税率を適用するかどうかについては、現時点で明確な公式見解は示されていません。

質問
2026年1月以降の給与計算は、どの税率を使えばよいですか?
回答
今後公布される政令や通達を確認したうえで判断する必要があります。
企業としては、年初からの源泉徴収方法に影響する可能性があるため、最新情報を前提に慎重な対応が求められます。

質問
日系企業の駐在員にも今回の改正は関係しますか?
回答
ベトナムで個人所得税の納税義務を負う場合は影響を受けます。
駐在員であっても、ベトナム居住者・非居住者の区分や給与水準によって、税額が変動する可能性があります。

質問
企業側の実務で特に影響が大きい点は何ですか?
回答
給与計算、源泉徴収、税コスト管理への影響が考えられます。
控除額や税率の変更は、人件費予算や年間税額の見積りにも影響するため、制度変更を前提とした事前確認が重要です。

質問
現時点で企業が準備しておくべき対応はありますか?
回答
制度内容の整理と影響の把握を進めておくことが望まれます。
具体的な実務変更は今後の法令を待つ必要がありますが、給与水準別の影響試算や社内説明資料の準備は有効です。

質問
今後、追加の法令やガイダンスは出る予定ですか?
回答
詳細な運用を定める政令や通達が今後公布される見込みです。
適用時期や経過措置、実務上の取り扱いについては、追加情報により明確化される可能性があります。

本Q&Aは一般的な整理を目的としたものです。自社の給与体系や駐在員対応への影響など、具体的な検討が必要な場合には、当社までご相談ください。

また、ベトナム進出に関するご相談、当社へのお仕事のご依頼など御座いましたら、以下のお問い合わせフォームよりご連絡頂くか、メールやお電話にて どうぞお気軽にご相談ください。