ベトナム政府、文化政策の行動計画を公布
ベトナム政府は2026年2月24日、文化政策の推進に関する政府行動計画として「Nghị quyết 30/NQ-CP(決議第30号)」を公布しました。本決議は、ベトナム文化の発展に関する国家方針を具体的に実行するための政策文書であり、文化産業の発展や文化行政体制の整備など、今後の文化政策の方向性が示されています。
決議第30/NQ-CP号の概要
- 法律名:Nghị quyết 30/NQ-CP(決議第30/NQ-CP号)
- 公布日:2026年2月24日
- 発行機関:ベトナム政府
- 内容:政治局決議第「80-NQ/TW」を実施するための政府行動計画
- 主な目的:文化政策の推進、文化産業の発展、文化行政体制の整備
- 注目ポイント:労働法改正を通じ「ベトナム文化の日(11月24日)」を有給祝日として追加する検討
今回の決議は、2026年1月に公布された政治局決議第「80-NQ/TW」に基づくものです。なお、この政策の背景となる政治局決議については、【労務】「ベトナム文化の日」を有給祝日追加方針の概要(決議第80-NQ/TW)」の記事でも詳しく解説しています。
決議第30/NQ-CPとは
「決議第30/NQ-CP」は、ベトナム政府が文化政策を具体的に実行するために策定した政府行動計画です。
ベトナムでは、国家政策の多くが以下のような流れで実施されます。
- 共産党による政策方針の決定
- 政府による実施計画の策定
- 法律や政令による制度化
今回の決議第30は、このうち政府による実施計画の段階に該当します。
つまり、新しい法律を直接制定するものではありませんが、今後の制度改正や政策実施の方向性を示す重要な政府文書といえます。
ベトナム文化政策の強化
今回の行動計画では、ベトナム文化の発展を国家政策として強化するため、さまざまな施策が示されています。
主な取り組みは次のとおりです。
- 文化関連制度の整備
文化活動を支える法律や行政制度の見直しが進められる予定です。文化分野の制度整備を通じて、文化政策の実行力を高めることが目的とされています。
- 文化産業の発展
映画、音楽、デザイン、文化観光などの文化産業は、近年ベトナムで成長が期待されている分野の一つです。政府は文化産業を新たな経済成長分野と位置付け、投資促進や産業育成を進める方針を示しています。
- 文化人材の育成
文化芸術分野の専門人材の育成も重要な政策の一つです。教育機関や文化機関と連携し、文化人材を育成する体制の整備が進められる予定です。
- 文化遺産の保護
ベトナムには多くの歴史文化遺産が存在しており、それらの保護と活用も政策の重要な柱となっています。文化遺産の保存とともに、観光資源としての活用も進められる見込みです。
- 文化分野のデジタル化
文化分野におけるデジタルトランスフォーメーションも重要なテーマとなっています。文化データのデジタル化やオンライン文化サービスの拡充などが検討されています。
「ベトナム文化の日」創設の検討
今回の政府行動計画では、労働法の改正を通じて「ベトナム文化の日」を新たな祝日として追加することも検討されています。
現在、ベトナムの祝日は2019年労働法第112条により定められており、主な祝日は以下の通りです。
- 元日
- テト(旧正月)
- フン王記念日
- 南部解放記念日
- メーデー
- 建国記念日
これらに加えて、11月24日を「ベトナム文化の日」として有給祝日に追加する方針が示されています。
ただし、現時点では政府の政策計画の段階であり、実際に祝日として制度化されるためには労働法の改正および国会での承認が必要となります。
日本企業への影響
ベトナムで事業を展開する日本企業にとって、祝日制度の変更は労務管理や事業運営に影響を与える可能性があります。
もし文化の日が正式に祝日として導入された場合、次のような影響が考えられます。
- 年間休日数の増加
- 生産スケジュールの調整
- 労務管理の変更
- 工場稼働日数への影響
特に製造業などでは、祝日の追加が生産計画や人員配置に影響する可能性があるため、今後の法改正の動向を継続的に確認しておくことが重要です。
まとめ
2026年2月に公布された「決議第30/NQ-CP」は、ベトナム文化の発展に関する国家政策を具体的に実行するための政府行動計画です。本決議は、政治局決議第「80-NQ/TW」の方針を実施するための政策文書であり、文化産業の育成や文化人材の育成、文化遺産の保護など、幅広い文化政策の推進が示されています。
また、この行動計画では、毎年11月24日を「ベトナム文化の日」とし、有給祝日として追加する制度改革の検討も含まれています。ただし、現時点ではまだ政策段階であり、実際に祝日として制度化されるかどうかは今後の労働法改正や国会の承認によって決定される見込みです。
ベトナムで事業展開を検討している企業にとっては、こうした文化政策や労働制度の変化を把握し、将来的な制度変更に備えることが重要になるでしょう。なお、労働法改正などの正式な法令が公布された場合には、引き続き最新情報を更新していきます。
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