ベトナム進出FAQ(労務・人事・社会保険について)

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ベトナム進出FAQ – よくあるご質問 –

〈ベトナムに進出する企業様がお持ちの疑問点をこのページでご紹介いたします〉

ベトナムでの事業運営では、労務管理・人事制度・社会保険の理解が欠かせません。
労働契約の締結方法、最低賃金の適用、外国人の社会保険加入、労働許可証の取得など、日本とは異なる制度が多く、実務上の疑問が生じやすい分野です。

本項では、当社によくお問い合わせ頂く「労務・人事・社会保険」に関するご質問を、以下にて御紹介いたします。

質問
外資系企業がベトナム労働法対応で特に留意すべき点は何ですか?
回答
ベトナム労働法は労働者保護を強く重視しており、書面上の規定と実際の運用が一致しているかが厳しく確認されます。
労働契約、就業規則、給与規程が形式的に整っていても、実態と乖離している場合は行政処分や労働紛争の原因となります。
特に解雇手続き、残業時間管理、社会保険の未加入・過少申告は、労務・税務の双方から重点的に調査される分野です。
日本本社の運用をそのまま適用するのではなく、現地法令に即した制度設計と運用管理が不可欠です。

質問
労働契約に必ず記載すべき法定項目には何がありますか?
回答
労働契約には、職務内容、契約期間、勤務地、労働時間、賃金、支払方法、社会保険、労働条件などの法定項目を明記する必要があります。
これらの記載が不十分な場合でも契約自体は直ちに無効とはなりませんが、紛争発生時には企業側が不利な立場に置かれます。
また、契約内容は就業規則や給与規程と整合している必要があり、矛盾がある場合は労働者有利に解釈されるのが一般的です。

質問
ベトナムの最低賃金制度はどのように定められており、企業は何に注意すべきですか?
回答
ベトナムの最低賃金は、政府政令により Region I〜IV の地域区分ごとに月額および時給で設定され、原則として毎年改定されます。適用区分は企業の所在地(工場・オフィス)を基準に判断され、複数拠点を有する場合は拠点ごとに異なる最低賃金が適用されます。
最低賃金は基本給のみならず、職務給・技能給を含む賃金構成全体が基準を満たしているかで判断されます。一方、残業代や賞与等は算定対象外となるため、給与設計時には内訳管理が重要です。
また、最低賃金は 残業単価や社会保険基準給与の算定基礎 に影響するため、改定時には労働契約・給与規程との整合性を確認する必要があります。違反があった場合は是正指導や行政罰の対象となるため、定期的な見直しが求められます。

質問
外国人労働者の社会保険加入義務はどのように判断されますか?
回答
ベトナムで労働契約を締結し、一定期間以上勤務する外国人は原則として社会保険加入対象となります。
一方、短期派遣者や社内異動者などは免除対象となる場合があり、契約形態・滞在期間・職位を総合的に判断します。
誤った判断は追徴や罰金の対象となるため、事前確認が重要です。

質問
社会保険料算定における基準給与の考え方は?
回答
社会保険料は、労働契約に定められた固定給を基礎として算定されます。
ただし、算定対象となる手当と対象外となる手当が明確に区分されており、上限額も設定されています。
手当の設計や契約記載方法を誤ると、過少申告と判断されるリスクがあります。

質問
Work Permit(ワークパーミット)とは何ですか?
回答
Work Permit(労働許可証)とは、外国人がベトナム国内で合法的に就労するために必要となる公的許可証です。
ベトナム労働法では、外国人が報酬を得て業務に従事する場合、原則として事前に Work Permit を取得することが義務付けられています。
Work Permit は雇用企業を通じて申請され、許可された職務内容・勤務地・雇用期間のみが有効範囲となります。
許可内容と実際の就労内容が異なる場合、無許可就労と判断されるリスクがあります。

質問
Work Permit はどのように取得しますか?
回答
外国人の Work Permit は、雇用企業が管轄労働局へ申請します。
申請にあたっては、外国人雇用需要の事前承認に加え、学歴・職歴証明書、無犯罪証明書、健康診断書などの提出が求められます。
これらの書類は原則として 公証・領事認証が必要であり、準備期間を含めると取得までに1〜2か月程度を要します。
就労開始時期から逆算した計画的な手続きが重要です。

質問
Work Permit が不要となる代表的なケースは?
回答
企業代表者、短期専門家、特定プロジェクト従事者などは、条件を満たせば Work Permit 免除の対象となります。
ただし、免除であっても 事前届出や免除確認書の取得 が必要で、無手続き就労は違法となります。
免除と不要を混同しないことが重要です。

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質問
LĐビザと一時滞在カード(TRC)の使い分けは?
回答
LĐビザは比較的短期間の就労向けで、長期滞在の場合は TRC の取得が一般的です。
いずれも Work Permit の有効期間が上限となるため、更新スケジュール管理が重要です。

質問
駐在員給与設計で税務・労務上注意すべき点は?
回答
PITの課税範囲、社会保険対象給与、外貨建支給の可否を総合的に考慮する必要があります。
契約書と実際の支給内容が一致していない場合、税務調査時に問題となります。
給与設計は税務・労務の両面から検討することが重要です。

質問
駐在員手当の非課税要件にはどのようなものがありますか?
回答
住宅費や学費などは、一定条件下で非課税扱いとなる場合があります。
ただし、契約書への明記、実費精算、証憑の保存が前提条件となります。
形式を欠くと課税対象と判断される可能性があります。

質問
解雇が有効と認められるための要件は?
回答
解雇には合理的理由、適正な社内手続き、法定の事前通知期間が必要です。
いずれかが欠ける場合、不当解雇と判断されるリスクがあります。
特に証拠書類の有無が判断を左右します。

質問
労働紛争はどのようなプロセスで解決されますか?
回答
原則として、調停 → 労働仲裁 → 裁判の順で進みます。
初期段階での対応内容や記録管理が、その後の結果に大きく影響します。
感情的対応は紛争長期化の原因となります。

質問
労務リスクを低減するための実務的対策は?
回答
就業規則、評価制度、懲戒規程を整備し、実際の運用と一致させることが重要です。
日常的な記録管理と、問題発生時の早期対応がリスク低減につながります。
必要に応じて専門家を交えた対応が有効です。

ベトナム進出に関するご相談、当社へのお仕事のご依頼など御座いましたら、以下のお問い合わせフォームよりご連絡頂くか、メールやお電話にて どうぞお気軽にご相談ください。