【2026年最新】ベトナム進出のルールが変わる?投資法ガイド政令96を解説
ベトナムへの進出を検討する企業にとって、「自社の事業は参入可能なのか」「外資規制はどの程度あるのか」「どのような手続きを踏めばよいのか」といった点は、意思決定の前提となる重要な要素です。
これらの判断に直接関わる法令として、2026年に公布されたのが「Nghị định 96/2026/NĐ-CP(投資法ガイド政令)」です。本政令は、投資法の内容を具体的な実務ルールとして整理したものであり、進出の可否や手続きの進め方を判断するうえで不可欠な基準となります。
本記事では、制度のポイントを整理しながら、日本企業が実務で押さえておくべき観点に焦点を当てて解説します。
Nghị định 96の位置づけと役割
ベトナムの法制度は、法律が基本的な枠組みを定め、その具体的な運用方法を政令が補完する構造になっています。投資法も同様であり、条文だけでは実務判断に必要な情報が十分でないケースも多く存在します。
Nghị định 96は、その不足部分を補う形で、具体的な適用範囲や判断基準、手続きの流れを明確にしています。実際の進出プロジェクトでは、この政令の内容をもとにスキーム設計や申請準備が進められることになります。
通達の概要
| 項目 | 内容 |
| 文書名 | Nghị định 96/2026/NĐ-CP |
| 公布年 | 2026年 |
| 内容 | 投資法の詳細運用ルールの規定 |
| 対象 | 外資企業・ベトナム企業・投資家 |
| 主な分野 | 外資規制・投資手続き・条件付き事業 |
政令の主なポイントと実務への影響
今回の政令では、大きな制度変更というよりも、これまで現場ごとに解釈が分かれていた部分を整理し、実務判断を統一する方向性が打ち出されています。これにより、進出検討段階での不確実性が一定程度軽減されることが期待されます。
特に重要となるのは、外資規制、条件付き事業、そして投資手続きの3つの領域です。
外資規制の明確化と進出スキームへの影響
ベトナムでは、業種によって外資の参入可否や出資比率に制限が設けられています。これまでは、同じ業種であっても解釈の違いや担当機関によって判断が分かれるケースがありました。
今回の政令では、こうした外資規制の適用基準が整理され、どのような条件で参入可能となるのかが把握しやすくなっています。
これにより、進出スキームの検討段階で、
- 外資100%での進出が可能か
- 現地パートナーとの合弁が必要か
- 特定の許認可が必要となるか
といった点を事前に見極めることが可能になります。結果として、進出後のスキーム変更や追加コストの発生といったリスクを抑えることにつながります。
条件付き事業の整理とリスク管理
ベトナムには「条件付き投資事業」と呼ばれる制度があり、特定の業種については追加の許可や条件が求められます。例えば、教育、物流、ITサービス、流通など、多くの分野がこの対象となり得ます。
本政令では、この条件付き事業の範囲や条件が整理され、企業が自社の事業にどのような規制が適用されるのかを判断しやすくなりました。
実務上は、事業内容を正確に定義し、それがどの業種に該当するかを見極めることが重要になります。この判断を誤ると、申請のやり直しや追加手続きが発生し、進出スケジュールに大きな影響を与える可能性があります。
投資手続き(IRC・ERC)の実務整理
ベトナム進出においては、投資登録証明書(IRC)および企業登録証明書(ERC)の取得が基本的なプロセスとなります。
今回の政令では、これらの申請手続きに関する要件や審査の流れが整理され、必要書類や審査期間の考え方がより明確になりました。
特に実務上は、以下の点が重要となります。
- 事業計画の内容と整合性
- 出資構成や資金計画の明確化
- 提出書類の一貫性
これらが適切に整理されていない場合、審査の長期化や追加説明の要求につながる可能性があります。
企業にとってのメリットと変化
制度の整理が進んだことで、進出判断の精度が向上し、計画段階での不確実性が軽減されます。特に、規制の有無や手続きの流れが事前に把握できる点は、投資判断において大きなメリットとなります。
また、手続きの見通しが立てやすくなることで、進出スケジュールの管理やコストの見積もりも行いやすくなります。結果として、プロジェクト全体のリスクコントロールがしやすくなります。
実務上の注意点と対応のポイント
一方で、制度の明確化は、基準に満たない場合の判断も明確になることを意味します。従来は柔軟に運用されていたケースでも、今後はより厳格に適用される可能性があります。
また、業種分類の判断は依然として重要であり、同じビジネスでも定義の仕方によって適用される規制が変わることがあります。この点は、現地の実務に精通した視点での確認が必要です。
さらに、制度上は整理されていても、実際の運用においては地域や担当機関による差が残ることもあるため、申請プロセス全体を見据えた対応が求められます。
ベトナム進出を検討する企業への示唆
今回の政令は、ベトナムの投資環境がより透明で整理された方向に進んでいることを示しています。外資企業にとっては、ルールに基づいた形での進出がしやすくなる一方で、制度理解の重要性はこれまで以上に高まっています。
特に、進出前の段階でどこまで正確に制度を把握し、自社のビジネスに当てはめて検討できるかが、その後のスムーズな展開に直結します。
まとめ
Nghị định 96/2026/NĐ-CPは、ベトナム投資法の実務運用を整理した重要な政令であり、外資規制、条件付き事業、投資手続きといった進出の根幹に関わる領域に影響を与えます。
制度が明確になったことで、進出判断や準備は進めやすくなりましたが、その一方で適切な理解と対応が求められる場面も増えています。事前準備の質が、進出の成否やスピードに大きく影響する状況といえます。
当社では、ベトナム進出に関する制度調査から実務支援まで対応しています。進出の可否判断やスキーム設計に関するご相談、本内容に関するご質問や詳細なご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。




