ベトナム進出が失敗する企業の4つの事例

dem1

ベトナム進出が失敗する企業の事例とは?
進出を失敗させないための取り組みについて考えます。

ベトナム進出する企業は2018年現在で1800社を超え、2017年の実績で 日本企業による約700件の投資がありました。ベトナムへの投資も成功し、ベトナムに進出して10年、20年という企業もある中で、進出後の事業展開がうまく行かずに、数年で撤退を余儀なくされる中小企業も多く存在していることは事実です。

「企業様の成功の未来を見据えたご提案」を経営の基本方針とする当社では、進出に関して良い事だけをお伝えするのではなく、実際に進出に失敗する場合の事例を挙げ、対策を一緒に考えることで成功に向けた進出イメージを持って頂く、そのご支援ができればと考えています。

ベトナム進出に失敗する企業の事例、キーワードは以下の5つです。

1.  想定以上の固定費
2.  売上見込み時期の大幅な遅れ

3.  大幅なロス
4.  現地法令の壁

1. 想定以上の固定費

ベトナム進出に失敗する企業の事例の一つ目として、コストの問題が考えられます。進出前に念入りに事業計画を練って進出したにも関わらず、1期目の決算を終えてみると、想定以上の固定費が嵩んでいることに気づきます。

それは事業計画策定の時点で固定費の試算が確実になされていなかったからで、よくある事例として日本人駐在員の経費があります。日本人駐在員の現地給料に対して日本同様の累進課税にて所得税が掛かりますが、それに加えて、ベトナムでは日本人駐在員が現地で駐在するための費用 ''アパート賃貸料(住居費)、労働ビザ取得費用、航空運賃、レンタカー費用'' なども課税対象であり、さらにベトナムは全世界所得課税方式をとっていますので、ベトナム国内の現地所得のみならず、日本で支給する給料に対してもベトナムで合算して課税する必要があるのです。
これらを把握されておらず、
進出・立ち上げ後で現地で売上も立てれていない状況の中、蓋を開けてみれば、想定外の駐在員費経費が経営を圧迫することになったという事例が多く見受けられます。日本から一人駐在員をベトナムに派遣する場合、これまで日本の給料が ベトナムに赴任すると、2-2.5倍ほどになるとイメージして頂いた方がいいかもしれません。

まずは、ベトナム現地事業に詳しいコンサルタントや産業団体の海外進出アドバイザーなどに、進出検討時点でよく相談することをお薦めします。現地でどういった固定費が掛かって来るのかをしっかりと試算・シュミレーションした上で検討することです。また立上げ当初から複数人の駐在員を派遣する中小企業様もありますが、前述で述べたような多大な人件費が掛かってしまいますので、現地事業が軌道に乗るまでは現地のマネージメント体制についてもよく考慮しなければなりません。

2. 売上見込み時期の大幅な遅れ

ベトナム進出に失敗する企業の事例の二つ目として、売上計画の遅れが考えられます。ベトナム進出の事業計画策定の時点で、現地で売上を立て始める時期も予測します。例えば、事業開始後、設備を設置し、現地メンバーへのトレーニングをして10ヶ月後から生産・販売を始め、徐々に売上を上げていく計画を立てていたとします。

しかし、実際に現地スタートしてみると、輸入通関のトラブルで設備の輸入・現場への設置が遅れる。さらに日本人のエンジニアをトレーナーとして派遣したものの、言葉の壁、理解度不足などにより、予定のトレーニング期間を終了しても、到底現地で生産を開始できるようなレベルまで持っていけておらず、売上計画が大幅にズレ込み、赤字が拡大したというものです。

現地では常識を逸脱したトラブルが発生しますし、外国人である現地メンバーに日本人が技術やノウハウを教えるのは容易なものではありません。それを踏まえ、ある程度余裕を持った事業計画を策定する方がいいでしょう。

まずスタートアップ時点で、その業界で長く経験を持つ既に技術・ノウハウをもったベトナム人を採用することは大切です。その人材を軸にして、リーダー → 作業員 → とトレーニング体制を組み立ててきます。優秀な日本語通訳スタッフは大切で即戦力であるものの、技術やノウハウ・その作業に対して経験を持っていない場合、日本人エンジニアの意図を100%伝えることは難しく、また「実際は未経験なのに…」と通訳スタッフに対して、現場から反発が起きることもあります。そこで比較的年齢を重ねた現地エンジニアを軸にすると、トレーニング対象の作業員も耳を傾け、日本人エンジニアの意図も細かく伝わるでしょう。

またサービス系の企業様でもよくありますが、例えば現地の国内マーケット(ベトナム人相手)に向けた販売展開を行う場合、日本人を主体にするのではなく、ベトナム人主体の営業体制を組むことが大切です。日本で営業実績を残してきた経験豊富な日本人管理者であっても、ベトナムではできることは大いに限られてきます。日本人管理者はあくまで管理に徹し、ある程度はベトナム人に任せて営業活動を行うことで、順調に行くこともあります。

Scenery2

3.  大幅なロス

ベトナム進出に失敗する企業の三つ目の事例として、こちらも大きな問題の一つではあります。例えば、製造業やサービス業、どの業界でも同じですが、ベトナムから日本と同じプロダクトやサービスを提供できるとは限らないということです。たとえ日本と同じ原材料や設備を使用して、同じ製品を生産したとしても、品質不良が日本よりも多く出てしまった・顧客に提供したサービスも日本より質が悪く、大きなクレームが出てしまったなどの問題も本当にたくさんあります。そして、それは全てベトナム拠点の「ロス」です。「ロス」を出すことにより、本来の売上・利益を無駄に削ってしまっているのです。

まずは、ベトナム拠点のスタートアップ時は、もちろん日本以上に「ロス」が発生することを想定した上で、しっかりと事業計画を練る必要があります。そうすればある程度の不測の事態にも対応できるでしょう。ただ、いつまで経っても「ロス」を出し続ける拠点であってはいけませんから、現地の品質を徐々に上げて行き、将来的には日本と同様の品質まで持って行かなければなりません。売上を上げて行くには、営業活動は最も大切なアクションでありますが、それと並行して、プロダクトやサービスの品質を上げること、「ロス」削減のための改善活動を意識的に行っていくことが大切です。ベトナムの人材は、手先も器用で真面目で優秀です。根気よく上手に活動を続けていけば、ベトナム拠点がきっと企業様の海外事業所の「要」となるでしょう。

4.  現地法令の壁

ベトナム進出に失敗する企業の四つ目の事例として、現地法令の壁が挙げられます。ベトナムにも、税制、関税法、労働法、環境法ほか進出企業と関連する法令は多く存在していますが、日本には無い独特の法律もあり、それが進出企業の障壁のなることもあります。過去には、中国製の設備の輸入が規制されたり、進出企業が製品を梱包するナイロン袋に課税がされたこともありました。そのような規定が急に制定され急に始まり、また急に元に戻るといった通常は考えられないようなことも多々ありますので注意は必要です。また法律は一本でも各地域によってその法令の解釈の仕方、進出企業への指摘内容はそれぞれ違っていることも多く、そういった法令の壁が進出企業を悩ませています。現地の税制を把握しておらず、税務調査時に結果として違法と指摘され、多額の追徴課税を支払うことになり、事業に行き詰ってしまった企業も多くあります。

ベトナム現地に進出した以上、どのような内容であれ現地の法令は遵守しなければなりませんので、違法にならないよう遵守しながら臨機応変に対応していくことが大切でしょう。新たに改定された法令が進出企業にとって厳しい内容だったりすると、現地にある日本の経済団体(商工会)や日系大手メーカーが手を取り合って国へ異見することもありますので、他の進出企業の動きを見ながら同じように動けばいいと思います。現地にはベトナム商工会があり全国1800社以上の日系企業が加入しており、また各地域や工業団地には日系企業連絡会という日本企業の集まりがあり、そういった団体では新たな法令情報を提供したり説明会なども実施しています。法令が変わったことを知らず、何もアクションを起こさなければ、後々に行政官庁からの指摘の対象となる場合もありますので、「知らなかった…」で済まさないためにも、できるだけこういう団体には参加して常に新たな法令情報を入手しアップデートしていくことをお勧めします。

以上、ベトナム進出が失敗する企業の4つの事例でした。

今回、ご説明させていただいたのは、ベトナム進出を失敗する企業のほんの一部の事例です。当社はこれからベトナム進出を試みる企業様のご支援はもちろんのこと、既に進出済みの企業様の経営支援サービスもご提供しております。ベトナムでの事業展開でお困りのことがあれば、ぜひ当社へご相談くださいませ。

また以下のページでは、ベトナム進出における4つの注意点について詳しく述べています。
ご参考に本ページと合わせてご一読頂けますと幸いです。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です