ベトナム生産委託先(OEM委託先)開拓のポイント

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- ベトナム生産委託先(OEM委託先)開拓のポイント-

ベトナム進出と言ってもいろいろな形態があります。現地に自社で法人を設立する進出方法もあれば、現地のローカル企業に投資する方法、また現地へ出資はしないものの、ベトナムの現地企業の中で生産委託先(OEM委託先)を開拓し、生産委託契約を締結して、自社製品の生産を委託する方法など、ベトナムと様々な関わり方があります。

本ページでは、ベトナムの現地企業に生産委託先をお探しの企業様向けに、ベトナム生産委託先(OEM先)開拓時のポイントについて、詳しくご紹介させていただきます。

最近、ベトナム進出のご相談と合わせて、当社の方へ多くご相談頂ける案件として、このベトナム生産委託先の開拓がございます。

日本国内での人材不足改善、コスト削減を実現するために、中国生産委託先の人件費増加や貿易戦争の影響も重なって、多くの企業様がベトナムに注目され始めています。

法人設立でのベトナム進出となると、多大な資金と手間、時間が掛かりますし、現地企業に生産委託することができれば、国内問題の改善にも繋がり、また大きな資本を掛けて進出するよりもリスクはありません。

ベトナム生産委託先を選定する際はどこに注意して見るべきでしょうか?

  •  生産実績 
  •  組織体制(生産体制/品質体制/技術体制)
  •  不良品・クレーム対応がしっかりしていること
  •  期日を守れているかどうか
  •  レスポンス(対応)の速さ

生産実績: 

ベトナム生産委託先選定の確認ポイントとして、一つ目には、生産実績があります。過去に、日本や海外企業の生産委託を受けた企業は、既に品質や技術面での工場監査を通過している可能性も高いですし、ベトナムから国外に輸出する貿易取引にも慣れています。国外企業との取引ゼロの企業より、そういった企業との取引を経験している企業の方が品質もしっかりしていますし、実際に取引を開始した後の対応も良いケースが多いです。

組織体制: 

生産・品質・技術などの製造検査工程の中での体制がしっかり組まれ、総務・財務などのバックオフィスの部門がしっかりと存在しているかどうか、法人として一般的なことですが、とても大切です。実際に社内組織が曖昧な生産委託先も多いですので、確認されることをお勧めいたします。社内組織が明確な生産委託先は、組織が曖昧な会社よりもトラブル発生時の対応も組織化されており、確実な応対をしてくれる会社が多いです。

不良品・クレーム対応がしっかりとしていること: 

いかに海外企業との取引が豊富な生産委託先であっても、不良品をゼロにすることは不可能です。不良品を客先に流通させてしまうこともあるでしょう。大切なのはそのような不良品の生産時や流通時に、会社対会社の取引(ビジネス)であると認識した上で、良心的な対応をしてもらえるかどうかです。

海外生産委託先との取引でベトナムでもよくあるトラブルが、明らかに委託先が起因のトラブルであるにも関わらず、生産委託先が素直にそれを認めずに言い訳を並べたり、断固として自社の非を認めない姿勢を通されることです。取引継続に支障をきたすような場合もありますので、取引前にそういった場合に、きちんと対応してくれる生産委託先であるかどうかの見定めが必要です。

期日を守れているかどうか

ビジネスの基本として、約束の期日を守れるかどうかは非常に大切なことですが、それは海外企業との取引にあたっても言えることです。ベトナムの生産委託先と本契約を締結する前に、見積書の発行やサンプル製作などのプロセスが入りますが、きちんと約束の期日までに対応してくれているかどうか、期日を過ぎる場合は事前に連絡をくれているかどうか、こちらも確認するポイントの一つです。契約前の段階から期日を守れない生産委託先は、生産委託契約の締結後の納期をきちんと守ってもらえるかどうかも分かりません。

レスポンス(対応): 

同じ国の企業と取引しているわけではありません、海を隔てた異国の企業との取引ですし、ましては意思疎通も英語などの外国語を通して行うことも多いでしょう。日本企業同士のやりとりでさえ、意思疎通も難しい場合があるのにベトナムの企業となると尚更です。

お互いに確認したい事柄も多く、連絡し合うことも多いと思いますが、メールやコミュニケーションツール(スカイプなど)で連絡を入れているのにも関わらず、全く返信が無い、連絡もくれないような生産委託先とは、今後の取引も不安になります。生産委託先の窓口担当者のレスポンスが良いかどうか、こちらも大切な確認ポイントの一つです。

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ベトナム生産委託先の現状

以上、ベトナム生産委託先 開拓時の確認ポイントをご紹介させていただきました。

本ページをご覧頂いている皆様の中には、既に中国などの海外へ生産委託をご経験されており、現状の委託先以外の候補として、東南アジア、ベトナムで委託先をお探しの企業様もいらっしゃるかと思います。

2019年現在、チャイナ+ワンと位置付けされるベトナムも、中国の次の生産委託先として注目されており、ローカル企業も増え続けてはいますが、業界によっては、他国のローカル企業に比べてまだまだ成長段階(=生産力/品質面で力量不足)な業界もあるのは確かです。

例えば、いくつかの工程が発生する生産委託の場合、これまでは中国の委託先一社に任せていれば、全ての工程を自社で完結(内製)していたものが、ベトナムの生産委託先に発注すると、一社完結できず、プロセス毎に他社へ外注することで、半製品の出し入れが発生し、あまりコストメリットもでないという問題です(実際に当社でサポートさせて頂いた企業様でも同様の問題はございました)。

ローカル企業が成長中のベトナムではよくある問題ではございますが、今の段階から早めに委託先と取引を開拓し、長いスパンの中で生産・技術指導を行っていくことで、将来は中国の取引先のような生産力、品質・技術力を持った委託先へと成長してくれることと思います。

始めは、現在取引中の海外委託先と同じ目線でベトナムの委託先を見ず、将来の成長を見据えながら委託先を開拓して頂くことが大切かと思います。

べトナム生産委託先(OEM委託先)開拓支援サービスの流れ

ベトナム進出支援コンサルティングサービスをご提供している当社では、ベトナムの生産委託先(OEM委託先)の開拓もお手伝いさせて頂いております。

ベトナム生産委託先の調査から取引開始まで、以下のような流れとなります。

STEP 1:   ヒヤリング
- お客様との直接面談、スカイプ面談などで ベトナム現地企業へ生産委託する製品や生産プロセスなどについてのお伺いさせていただきます

STEP 2:   調査開始
- ベトナム生産委託先企業の調査、リストアップ(従業員数、設立年、設備台数、日本企業との取引経験、生産実績など)

STEP 3:   お見積もりと契約締結
- 当社コンサルティングサービスの正式見積もりと業務委託契約の締結

STEP 1 - STEP 3 までの実施期間目安:   30日間

STEP 4:   現地視察
- 現地企業の訪問、工場見学、商談

STEP 5:   委託先へ見積もり依頼
- ベトナム生産委託先への生産委託製品の見積もり依頼

STEP 6:   サンプル試作
- ベトナム生産委託先へのサンプル製作と品質確認

STEP 4 - STEP 6 までの実施期間目安:   60日間

STEP 7:   取引条件決定
-  最終的な取引価格の決定、貿易条件、梱包条件等の決定

STEP 8:   乙仲業者選定
-  ベトナム側、日本側の物流・輸出入通関業務委託先の決定(乙仲業者のご紹介、契約締結支援)

STEP 9:   生産委託先契約、その他の契約締結
-  現地委託企業との生産委託契約(本契約)の締結(日本語/ベトナム語契約書の作成)
-  技術ラインセンス契約書、秘密保持契約書の締結

STEP 10:  マニュアル作成
-  技術指示書/作業指示書など、指導事項のマニュアル化(ベトナム語マニュアルの作成)

STEP 7 - STEP 10 までの実施期間目安:   30日間

当社と初回面談させて頂いてから、現地委託先のご紹介、現地視察、試作を経て、
実際に現地企業と取引を開始するまで、およそ2ヶ月を予定しています。

STEP 11:   貿易取引開始
- 初回PO発注、初回出荷

STEP 12:   継続取引管理
- 生産進捗管理、在庫管理、支払い管理など

STEP 11 以降は実際にベトナムの生産委託先と取引を開始した後の流れです。
当社は生産委託先を開拓するだけでなく、
取引開始後も、お客様とベトナム委託先の間に立ち、両社の貿易取引のサポート致します。


以上、当社のベトナム生産委託先(OEM先)開拓支援サービスについてご紹介させて頂きました。

先にも述べました通り、現在のベトナムでは、業界によっては、中国と同レベルの生産委託先を見つけることは困難な場合もございますが、今の時点から、早めに現地委託先を開拓し、時間をかけて徐々に取引を行なっていくことで、将来的にはベトナムでの生産委託に良い道が開けるのではないでしょうか。

当社では、ベトナムの生産委託(OEM委託)先の開拓から、現地視察同行、商談支援、契約締結支援、そして契約締結後の取引支援まで、幅広くお客様のベトナム生産委託をサポートさせて頂いております。

ベトナムの生産委託先をお探しの企業様、ぜひ当社へご相談くださいませ。