ベトナム給与所得税(PIT)の申告が四半期へ一本化/企業が押さえるべき実務ポイント

hoi an

ベトナム政府は、2026年4月分(第2四半期)より、給与所得に係る個人所得税(PIT)の月次申告を四半期申告へ一本化しました。これは、政府決議第66.16/2026/NQ-CP号および財務省決定第1109/QĐ-BTC号に基づく暫定措置であり、企業・個人の申告事務負担の軽減を目的としています。なお、本措置は2027年2月28日まで適用される予定です。

本記事では、制度変更の概要と企業実務への影響について解説します。

ベトナムPIT申告制度の変更内容

従来、給与所得に係る個人所得税(PIT)は、企業の区分に応じて月次または四半期で申告されていました。今回の暫定措置では、給与所得に係るPIT申告について、月次申告を一時廃止し、四半期単位での申告へ一本化されます。

対象となる主な申告は以下のとおりです。

  • 企業が源泉徴収義務者として行う給与所得に係るPIT申告
  • 給与所得者本人が税務当局へ行うPIT申告(該当者のみ)

企業側の給与計算や源泉徴収義務そのものがなくなるわけではなく、あくまで税務当局への申告頻度が変更される点に注意が必要です。

適用期間はいつまで?

今回の措置は2026年4月15日から2027年2月28日までの期間限定措置として案内されています。

ただし、今後新たな法令やガイドラインが公布された場合には、その内容が優先して適用される可能性があります。

制度運用の詳細については、今後の税務当局からの追加通知にも注意が必要です。

企業実務への影響

申告スケジュールの変更

2026年4月以降に発生した給与所得税については、月単位ではなく四半期ごとにまとめて申告を行うことになります。

例えば、2026年4月から6月までに源泉徴収した個人所得税については、第2四半期分としてまとめて申告する形となります。

すでに月次申告を提出している場合

制度変更前に2026年4月分の月次申告を提出済みの企業については、税務当局からの案内に従い、四半期申告へ切り替える対応が必要となる可能性があります。

現時点では、具体的な修正方法や取扱いについて統一的なガイドラインは公表されておらず、税務当局からの追加通知を確認しながら対応することが重要です。

給与計算業務への影響は限定的

今回変更されるのは税務申告の頻度であり、従業員ごとの所得税計算や源泉徴収義務そのものに変更はありません。

そのため、

  • 給与計算
  • PIT控除額の計算
  • 労働契約に基づく給与支給

などの日常業務は従来どおり継続されます。

日系企業が確認しておきたいポイント

ベトナムに進出している日系企業にとっては、申告頻度の変更に伴い以下の点を確認しておくことが重要です。

  • 自社が対象となる申告区分を確認する
  • 会計事務所や給与計算代行会社との運用を再確認する
  • eTaxシステム上の対応状況を確認する
  • 四半期申告への切り替え手順を把握する
  • 税務当局からの追加通知を継続的に確認する

特に複数の外国人駐在員や現地スタッフを雇用している企業では、税務申告スケジュールの変更が社内管理に影響する場合があります。

まとめ

ベトナムでは、給与所得に係る個人所得税(PIT)の申告について、企業区分にかかわらず四半期申告へ一本化する一時的な措置が導入されています。

企業の源泉徴収義務や給与計算業務に大きな変更はありませんが、税務申告スケジュールや提出手続きには影響が生じるため注意が必要です。

今後も税務当局から追加のガイドラインが公表される可能性があるため、最新情報を継続的に確認しながら適切に対応することをおすすめします。

 

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