ベトナムでは、扶養控除を適用するためには、被扶養者が法令で定める要件を満たしているだけでなく、その関係を証明する書類を適切に提出・保管する必要があります。
2026年7月1日に施行された通達87/2026/TT-BTCでは、被扶養者ごとに必要となる証明書類が整理され、企業や納税者が確認すべき内容がより明確になりました。
特に、日本企業では現地従業員だけでなく、日本人駐在員が海外に居住する家族を扶養控除の対象とするケースもあるため、必要書類を事前に確認しておくことが大切です。
本記事では、配偶者・子・父母・外国人居住者など、ケースごとに必要な証明書類を分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 扶養控除に証明書類が必要となる理由
- 被扶養者ごとの必要書類
- 外国人居住者の必要書類
- 企業が保管すべき書類
- 日本企業が確認すべきポイント
扶養控除に証明書類が必要な理由
扶養控除は、一定の条件を満たした被扶養者がいる場合に適用される制度です。そのため、税務当局は、申請された被扶養者が実際に要件を満たしているかを確認できるよう、親族関係や扶養要件を証明する書類の提出を求めています。
企業は、従業員から提出された書類を確認・保管し、税務調査などで提出を求められた際に対応できるよう管理することが求められます。
被扶養者ごとの必要書類一覧
| 被扶養者 | 主な証明書類 | 補足 |
| 子(実子・養子・配偶者の連れ子) | 出生証明書、養子縁組決定書、親族関係を証明する書類 | 18歳以上は就学証明書や障害に関する証明書が必要となる場合があります。 |
| 配偶者 | 結婚証明書、婚姻関係を証明する書類 | 身分証明書の提出が必要となる場合があります。 |
| 父母 | 出生証明書、親子関係を証明する書類 | 義父母・養父母などは、それぞれの親族関係を証明する書類が必要です。 |
| その他の扶養親族 | 親族関係や扶養義務を証明する書類 | 法令で認められた対象者に限られます。 |
18歳以上の子どもは追加書類が必要な場合がある
18歳以上の子どもを被扶養者として申請する場合は、出生証明書などに加え、状況に応じた追加書類が必要となることがあります。
例えば、大学などに在学している場合は就学を証明する書類、障害などにより扶養が必要な場合は、法令で求められる証明書類を提出しなければなりません。
申請前に必要書類を確認し、不足がないよう準備しておくことが大切です。
外国人居住者が扶養控除を申請する場合
外国人居住者が海外に居住する家族を被扶養者として申請する場合は、本国の管轄機関が発行した親族関係を証明する公的書類が必要となることがあります。
また、提出する書類によっては、ベトナム語への翻訳や公証・認証などの手続きが求められるケースもあります。
日本人駐在員や外国人従業員が在籍する企業では、申請前に必要書類や手続きの流れを確認しておくと、スムーズに対応できます。
企業が確認しておきたいポイント
扶養控除の申請では、従業員本人だけでなく、所得支払機関である企業にも書類管理が求められます。
特に、次の点を確認しておくとよいでしょう。
| 確認項目 | 内容 |
| 必要書類の確認 | 被扶養者ごとに必要書類が揃っているか |
| 書類の保管 | 税務調査に対応できるよう適切に保管しているか |
| 外国人従業員 | 海外発行書類の翻訳・認証が必要か確認しているか |
| 社内運用 | 人事・給与・経理部門で運用ルールを共有しているか |
まとめ
通達87/2026/TT-BTCでは、扶養控除を適用するために必要な証明書類が被扶養者ごとに整理されました。配偶者・子・父母・外国人居住者では必要となる書類が異なるため、申請前に内容を確認し、不足がないよう準備することが大切です。
企業においても、提出書類の確認や保管体制を整え、法令に沿った適切な運用を行うことで、税務上のリスクを抑えながら円滑に扶養控除の手続きを進めることができます。
本内容に関するご質問や詳細なご相談、ベトナム進出や現地法人の税務対応についてご不明な点等ございましたら、お気軽にお問合せください。
関連記事
- ベトナム個人所得税施行通達87/2026/TT-BTCとは?改正ポイントと企業実務への影響を解説
- ベトナム扶養控除/所得基準300万VNDを解説
- ベトナムにおける外国人居住者の扶養控除/適用条件や必要書類を解説







