ベトナムDPOとは?個人データ保護責任者の役割と企業の対応を解説

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ベトナムでは、個人データ保護法および政令356/2025/NĐ-CPにより、企業が個人データを適切に管理するための体制整備が求められています。

その中で重要となるのが、DPO(Data Protection Officer:個人データ保護責任者)です。

DPOは、企業における個人データ保護に関する業務を担当し、社内のデータ管理体制の整備や法令遵守を支援する役割を担います。

本記事では、ベトナムにおけるDPOの概要と役割、日本企業が確認しておきたいポイントを簡潔に解説します。

DPO(個人データ保護責任者)とは

DPO(Data Protection Officer)とは、企業や組織において、個人データの保護に関する業務を担当する責任者・担当者を指します。

ベトナム法令上は、「個人データ保護担当者(nhân sự bảo vệ dữ liệu cá nhân)」または「個人データ保護担当部署(bộ phận bảo vệ dữ liệu cá nhân)」という形で規定されており、一般にDPO(Data Protection Officer)と呼ばれる役割に相当します。

DPOは、企業における個人データの取扱状況を確認するとともに、個人データ保護に関する社内のルールや管理体制が適切に整備・運用されるよう、管理・支援する役割を担います。

ベトナムでは、原則として企業・組織に対して、個人データを適切に保護するための担当者または担当部署を設置することが求められています。また、企業の規模や個人データの取扱状況によっては一定の特例も設けられているため、自社がどのような体制を整備する必要があるのかを確認することが重要です。

DPOは何をする?

DPOの主な役割は、企業における個人データ保護体制を管理・支援することです。

例えば、次のような業務が考えられます。

主な役割 内容
個人データの管理 社内でどのような個人データを扱っているかを確認
社内ルールの整備 個人データの取扱いに関する規程や手続きを管理
法令対応 個人データ保護に関する法令への対応を確認
社内教育 従業員に対する個人データ保護に関する周知・教育
DPIA等への対応 個人データの処理・国外移転に関する評価への対応を支援
問題発生時の対応 個人データの漏えいや不適切な取扱いなどへの対応

DPOがすべての実務を一人で行うというよりも、社内の各部署と連携しながら、個人データ保護体制を維持する役割と考えると分かりやすいでしょう。

DPOの設置で日本企業が確認しておきたいこと

ベトナム法人では、人事・採用、顧客管理、営業活動など、さまざまな業務で個人データを取り扱います。

そのため、まずは自社でどのような個人データを扱っているのかを整理し、誰が個人データ保護に関する責任を担っているのかを明確にしておくことが重要です。

また、DPIAやDB-DTIAなどの対応が必要となる場合には、これらの評価書類の作成・管理とDPOの役割を連携させることで、社内の個人データ保護体制を整理しやすくなります。

特に日本本社とベトナム法人の間で個人データを共有している企業では、ベトナム側だけでなく、日本本社側も含めて個人データの管理体制や責任範囲を確認しておくことが大切です。

DPOは必ず専任者を置く必要がある?

DPOの設置にあたって、専任の新規ポストを新設することだけが唯一の選択肢ではありません。

企業規模やデータ取扱量に応じて、社内の法務・IT・人事といった既存部門の担当者にDPO業務を兼任させる方法のほか、専門的なノウハウを持つ外部のコンサルティング会社等へ業務を委託(アウトソーシング)することも認められています。

ただし、政令356/2025/NĐ-CPでは、DPO(またはデータ保護担当部署)を務める人材に対して一定の実務要件を定めている点に注意が必要です。

  • 実務バックグラウンド: 法務、IT・セキュリティ、コンプライアンス、人事等の関連領域において2年以上の実務経験を有していること
  • 専門知識の習得: 個人データ保護に関する指定トレーニング・研修の受講を終えていること

「適当な担当者を名目上で選ぶ」だけでは法令上の要件を満たせない可能性があるため、適格性を満たす人材の選任とあわせて、社内での正式な社内辞令(任命書)の発行や、外部委託契約の締結といった手続きを正しく進めることがポイントとなります。

小規模企業・零細企業等に対する特例について

ベトナムの個人データ保護に関する規定では、すべての企業に一律に同じ義務が課されるわけではありません。

政令356/2025/NĐ-CP第41条では、小規模企業・スタートアップ企業、零細企業・個人事業者等について、一定の要件を満たす場合に個人データ保護に関する一部の義務について特例が設けられています。

具体的には、以下のような取扱いとなります。

  • 小規模企業・スタートアップ企業
    → 原則として5年間、一定の要件のもとで、個人データ影響評価(DPIA)の実施・更新や、個人データ保護責任者(DPO)等に関する義務を実施するかどうかを選択することができます。
  • 零細企業・個人事業者等
    → 一定の要件を満たす場合、個人データ保護に関する一部の義務が免除されます。

ただし、企業規模が小さいことだけを理由に、すべての個人データ保護義務が免除されるわけではありません。

例えば、

  • 個人データ処理サービスを提供する企業
  • センシティブ個人データを直接処理する企業
  • 大量の個人データを処理する企業

などについては、これらの特例の対象外となる場合があります。

そのため、中小企業やスタートアップ企業であっても、単純に「DPOを設置しなくてもよい」と判断するのではなく、自社の企業規模だけでなく、取り扱っている個人データの種類・量や事業内容を確認したうえで、特例の適用可否を判断する必要があります。

特に、従業員情報や顧客情報を取り扱う一般的な中小企業にとっては、この特例が適用されるかどうかによって、DPOの設置やDPIA等への対応負担が大きく変わる可能性があります。

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まとめ

DPO(個人データ保護責任者)は、企業における個人データ保護体制を管理・支援する重要な役割を担います。

日本企業では、採用、人事、顧客管理など、日常的な業務で個人データを取り扱うため、誰が個人データ保護について責任を持つのかを明確にしておくことが重要です。

また、DPIAやDB-DTIAなどの制度とあわせて社内のデータ管理体制を整理することで、ベトナムにおける個人データ保護への対応を進めやすくなります。

MEIKEIでは、ベトナム個人データ保護法に関する実務対応についてサポートいたします。ベトナムでの個人データ管理や社内体制の整備について、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。