ベトナムで勤務する日本人駐在員や外国人従業員は、一定の条件を満たすことで扶養控除を適用できる場合があります。2026年7月1日施行の通達87/2026/TT-BTCでは、外国人居住者が扶養控除を申請する際の必要書類や取扱いについても具体的なルールが示されました。
特に、配偶者や子ども、父母などが海外に居住しているケースでは、日本で発行された公的書類が必要となることがあり、人事・給与担当者にとって確認しておきたい実務ポイントとなっています。
本記事では、外国人居住者が扶養控除を受けるための基本条件や必要書類、日本企業が注意すべきポイントを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 外国人居住者とは何か
- 扶養控除を受けるための基本条件
- 海外居住家族を扶養に入れる場合の必要書類
- 日本人駐在員でよくあるケース
- 企業が確認しておきたい実務ポイント
外国人居住者とは
ベトナムの個人所得税制度では、一定の滞在要件などを満たす外国人は「居住者」として扱われます。居住者となった場合、ベトナムで得た所得だけでなく、制度上のルールに基づいて扶養控除の適用を受けられる可能性があります。
日本人駐在員や長期赴任者の多くは、この「外国人居住者」に該当するケースがあります。
扶養控除を受けるための基本条件
外国人居住者が扶養控除を適用する場合でも、基本的な考え方はベトナム人と同じです。
主な条件
- 被扶養者との親族関係があること
- 被扶養者が一定の所得基準を超えていないこと
- 必要な証明書類を提出できること
通達87では、被扶養者の所得判定や証明書類について具体的な運用ルールが示されています。
海外居住家族を扶養に入れる場合
日本人駐在員で最も多いのが、日本に居住する配偶者や子ども、父母を扶養控除の対象とするケースです。
この場合、ベトナム国内で発行された書類だけでは足りず、日本の公的機関が発行した証明書類が必要となることがあります。
主な必要書類
| 被扶養者 | 主な書類 |
| 配偶者 | 戸籍謄本、婚姻関係を証明する書類 |
| 子ども | 戸籍謄本、出生証明書、親子関係を証明する書類 |
| 父母 | 戸籍謄本、親子関係を証明する書類 |
※実際に必要となる書類は、税務当局の運用や個別事情によって異なる場合があります。
翻訳・認証は必要?
通達87では、外国で発行された書類について、適切な法的証明書類であることが求められています。
実務上は、次のような対応が必要となるケースがあります。
- ベトナム語への翻訳
- 公証
- 領事認証(必要に応じて)
企業は、提出先の税務当局や顧問会計事務所と連携し、必要な手続きを事前に確認しておくことが重要です。
日本人駐在員でよくあるケース
ケース1:日本に住む配偶者を扶養に入れたい
- 日本の戸籍謄本を取得
- ベトナム語へ翻訳
- 必要に応じて認証手続きを実施
ケース2:日本に住む子どもを扶養に入れたい
- 戸籍謄本または出生証明書を取得
- 親子関係を確認
- 翻訳・認証を行ったうえで提出
ケース3:高齢の父母を扶養に入れたい
- 親子関係を証明する書類
- 所得状況に関する確認資料
- 必要に応じて追加説明資料
企業が確認しておきたい実務ポイント
外国人従業員が在籍する日本企業では、次の項目をチェックしておくと運用しやすくなります。
実務チェックポイント
- 扶養申請時に必要書類一覧を案内しているか
- 日本で取得が必要な書類を早めに案内しているか
- 翻訳・認証の要否を確認しているか
- 書類の保管ルールを整備しているか
- 人事・給与・経理部門で情報共有しているか
特に駐在員の赴任直後は、戸籍謄本の取得や翻訳手続きに時間がかかることがあるため、入社・赴任時点で必要書類を案内しておくことが実務上有効です。
まとめ
通達87/2026/TT-BTCでは、外国人居住者が扶養控除を適用する際の必要書類や運用ルールが明確化されました。日本人駐在員が日本に居住する配偶者や子ども、父母を扶養に入れる場合は、日本で発行された公的書類の取得や翻訳・認証が必要となるケースがあります。
企業としては、外国人従業員向けの扶養申請フローを整備し、必要書類の案内や保管体制をあらかじめ整えておくことで、給与計算や年次確定申告への対応をスムーズに進めやすくなります。
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