ベトナム法人の設立資本金について

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- ベトナム法人の設立資本金について-
ベトナムで会社を設立する際の最低資本金は?

今回は、ベトナム法人の設立資本金についてご紹介いたします。ベトナムに進出されようとしている企業様で特に気にされるのは、進出するための資金、資本金が如何程必要なのかということだと思います。ベトナムに進出するために日本本社より全額出資する際、また融資を受けて進出するにしても、本格的に進出を検討する段階では、設立資本金を算出し、法人登記時には設立資本金の金額を確定しなければなりません。

結論から先にお伝えすると、ベトナムでは、現地法人の設立する際、投資する業界によって変わってきますが、基本的には 最低資本金などの規定はございません(金融・不動産業など、投資分野によっては資本金の条件が設けられています)。

つまり、ベトナムで会社を設立するにあたって、特に取り決めはなく、設立資本金をいくらで設定しても良いのです。但し、法人登記申請の申請先(計画投資局等)の窓口担当者に納得してもらえる資本設定が必要です。

土地リースかレンタル工場か、設備投資規模はどれぐらいか、運転資金も考慮した投資の内容を見ながら、場合によっては資本金が少ないと指摘され、申請が受理されないこともあります。

また申請を提出する投資局の窓口によっても意見や申請を受理する基準に差がありますので、皆様の事業計画を元によく考慮し、実際に申請を行う者(コンサルタントやディベロッパー、レンタル工場の運営会社など)によく確認されることをお奨めいたします。

以下は、中小企業様におけるベトナム法人の設立資本金額の一例ですので、ご参考にしていただければと思います。

3つの投資条件で考えて見ました。

製造業 (土地リース+自前工場建設)

- 資本金: 1億円以上

製造業の企業様で、現地の土地をリース(期限付きの土地使用権の購入)し、そこに自前の工場を建設する場合は、日本円にして1億円以上の資本金が必要になるかと考えます。例えば、ローカルの工業団地 (65 USD/ m2)に10,000平米の土地使用権を購入した場合でも、その土地代金だけで、日本円で およそ7,000万円は掛かりますし(支払いは分割が一般的ですが)、その土地に3000m2の自前の工場を建設した場合には、ローカルのゼネコンでも数千万円は掛かってくるでしょう。後々増資は必要になるものの、投資規模が大きいので 法人設立時の資本金も必然的に多くなります。

製造業 (レンタル工場賃貸)

- 資本金: 3,000万円 – 5,000万円以上

次の条件は、ベトナムの土地使用権の購入はせず、且つ、工場も自前で建設しない場合、賃貸のレンタル工場へ入居される企業様の資本金です。例えば、完全ローカル企業が運営するレンタル工場であれば 3USD/ m2(管理費込み)、2000平米のレンタル工場に入居した場合は、月6000 USDの賃料となります。先に述べた土地使用権を購入して自前の工場を建設する場合に比べると、ある程度投資額を抑えて現地に進出することができます。とはいえ、レンタル工場の内装費用ほか、運転資金も考えると 少なくとも1,000万円 – 3,000万円以上 で見ておけば間違い無いでしょう。

サービス業 (オフィス賃貸)

- 資本金: 500万円 – 3,000万円以上

最後に、サービス業として事業登録を行う企業様の資本金についてです。製造業の生産工場のように広大な敷地が必要のないサービス業は、一般的には都市部(ハノイ/ホーチミン市)のオフィスを借りて入居します。製造業の進出時に掛かる経費の中で、土地代、建設代、レンタル工場の賃料が大半ですが、サービス業は製造業に比べて このような大きな経費が掛かりません。例えば10人-20人規模の会社だとしても、数十 m2 - 100 m2 程度のオフィスで足りるでしょうから、例えば、1平米 15 USDのオフィスを100 m2 借りたとしても、1500 USD、半分の50m2 借りた場合は、750USD となり、そういった意味でもサービス業の資本金は比較的低くても通ります。

サービス業であっても5000万円、1億円以上で会社を設立する企業様もあれば、IT業界(システム・アプリケーション開発)などは、人件費(エンジニア)とオフィス賃料以外にさほど大きな経費を必要としませんので、300万円程度で会社を設立することもできます。

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以上、ベトナム進出(現地法人設立)における資本金について、ご紹介させて頂きました。

またこちらのページでは、「ベトナムの会社形態(法人形態)と特徴」  について、詳しくご説明しております。本ページと合わせてご覧頂けますと幸いです。

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