ベトナム駐在員事務所の設立について

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- ベトナム駐在員事務所の設立について-
設立のポイント、申請書類、留意点、閉鎖手順など

今回は、ベトナム駐在員事務所の設立方法についてご紹介いたします。ベトナムへ進出する日本企業の中で、現地法人(有限責任会社や株式会社)を設立する企業様が大半であるものの、現地法人設立前の市場調査などを目的に「駐在員事務所」を設立する企業様もあります。ベトナムの駐在員事務所は、現地法人に比べて設立費用も安く、比較的安易に設立できますが、活動期間や活動内容に制限もありので注意が必要です。以下にて詳しくご説明いたします。

ベトナム駐在員事務所 設立のポイント

◎申請先:   市・省にある商工省関連局
(*または工業団地・輸出加工区・ハイテクパーク・経済特区管理委員会)

◎申請期間:   申請受付後、1週間 - 15日営業日
(*受領後、書類の不備不足がある場合は、原則3営業日以内に通知)

◎申請条件:   本国にて一年以上活動している外国法人

◎申請期間:   5年間
(*延長申請可能、本国にて活動期間に制限がある場合は、その期間に沿うこと)

◎申請期間:  *直接利益が発生するビジネスや投資活動はできません

(1)連絡事務所としての活動
(2)市場調査活動
(3)本社ビジネスの活動促進活動

駐在員事務所設立にあたって注意すべきは、駐在員事務所は現地法人違って、現地で営業活動(売上を立てること)ができません。また駐在員事務所・支店設立に関する政令第72/2006/ND-CPでは認められていた「在越パートナーまたはベトナム市場に関連して締結された外国企業との契約履行の指導・実施監督」も、2016年1月公布(同年3月施行)の政令第07/2016/ND-CPを以って、活動内容から除外されました。

このように活動内容に制限があり、限られた活動しか出来ないことをご理解頂いた上で、現地法人と駐在員事務所のどちらを設立すべきなのか検討頂ければと思います。

ベトナム駐在員事務所  必要準備書類

1. 親会社の登記簿謄本 *全部事項証明書
2. 親会社の定款(※ 提出不要な行政窓口もあり)
3. 親会社の決算書直近1期分
4. 親会社の法廷代表者のパスポート写し
5. 駐在員事務所所長のパスポート写し
6. 入居するオフィスとの賃貸契約書
7. 入居するオフィスのビジネスライセンス写し(公証)
8. そのほか(駐在員事務所長の履歴書や任命書など)

以上が、ベトナム駐在員事務所設立にあたって、準備が必要な書類です。現地法人の登記申請と同じく、日本の公証役場での公証、公証人押印証明、外務省の公印確認、ベトナム外務省(または在日大使館・領事館)での領事認証(合法化)、翻訳及び公証も必要になります。

ベトナム駐在員事務所設立における留意点

法人との税務事情の違い

 - 法人税の納税はなく、個人所得税のみ。
 法人で許可されているVATの免除、還付申請は対象外。

 - 税務調査は、5年後の活動期間終了時、活動期間延長時、
法人化申請時などのタイミングで実施。

 ※ 注意点: 外資の現地法人に比べて、税務処理もシンプルですが、
個人所得税の取り扱いに注意が必要です。
(アパート、レンタカーなどの駐在員費用の申告に対して)
日系駐在員事務所への追徴課税の事例もあります。

事務所長の権限委任について

 - ベトナム出国時、事務所長の権限・義務を事務所員への委任が必要。

 - 都度、委任状を作成して、社内に書面として残す必要あり。

 ※ 注意点: 30日間以上 国外へ出国する場合は、
委任を受けた者が事務所を運営 且つ 新事務所長の任命必要です。

登録情報の変更報告とライセンス修正について

 - 日本の親会社の名称、住所、活動内容(事業登録内容)、ベトナム駐在員事務所の名称、住所、事務所長の人員変更などがある場合は、管轄の商工局に対して報告とライセンス情報の修正を行う。

 ※ 注意点: 以前は60日営業日以内の修正申請でしたが、
現在は10日営業日以内とタイトなスケジュールになっています。

定期的な活動報告義務

 - 駐在員事務所は、5年の活動期間の中で管轄の商工局に対して、
定期的な年次報告(1月31日締め切り)を行う。

 - 報告内容は、駐在員事務所の基本情報、現状の従業員情報、
   当該年度の活動内容、当該年度活動の評価など。

 ※ 注意点: 期日を過ぎても活動報告を行わなかった場合、罰則対象や活動ライセンス取り消しの可能性もあります。

銀行口座の取り扱い

 - ベトナムの駐在員事務所では、営業活動は禁止され、収益の発生する活動が認められていないため、支出専用口座(非居住者口座)しか開設することができません。

 ※ 注意点: 日本本社と在越取引先の契約案件に対する支払いや報酬受け取りなど、駐在員事務所の活動経費の支払い以外に、開設した口座を利用することは認められていません。

事務所員の強制保険の加入

 - 事務所員の労務管理に関しては、法人形態と取り扱いに違いはありません。法人の従業員同様に、駐在員事務所のベトナム人スタッフも国家強制保険への加入が必要で、一部会社負担の比率も法人形態同様です。

* 注意点: 以前は、ベトナムで就労する外国人の法人法廷代表者、駐在員、駐在員事務所の所長は、ベトナム国家保険への加入は任意でしたが、2018年より、外国人も強制加入が義務付けられました。

ベトナム駐在員事務所の閉鎖手順について

「当初予定していた活動が終了」、「活動期間の途中ではあるものの、法人化を行う」などの理由から、いずれ設立した駐在員事務所を閉鎖することになります。

以下では、閉鎖の手順についてご説明いたします。

手順1.  管轄当局(商工省)へ閉鎖通知書を提出
手順2.  事務所員への通知 と労働契約の解消
手順3.  取引先への債務弁済
手順4.  未納税の税金完納(個人所得税)
手順5.  事務所員への賃金清算(給料、手当、退職金、有給休暇の買取)
手順6.  事務所員の強制保険の停止
手順7.  事務所印、税コードの抹消
手順8.  最終閉鎖申請とライセンスの抹消

閉鎖に至るまでの期間ですが、手順1を済ませた時点で、閉鎖までのどこかのタイミングで税務調査が入りますので、最終的に閉鎖が許可されるまで時間も掛かります。余裕を持って、6ヶ月ほどの期間を見ておいた方が良いでしょう。

当社では、ベトナム駐在員事務所の閉鎖のサポートも行なっております。

ぜひお問い合わせ下さいませ。

以上、ベトナム駐在員事務所設立のポイント、申請必要書類、留意点、駐在員事務所の閉鎖手順について、ご紹介させて頂きました。

またこちらのページでは、現地法人設立に関わる「ベトナムの会社形態(法人形態)と特徴」  について、詳しくご説明しております。本ページと合わせてご覧頂けますと幸いです。

本ページの内容(ベトナム駐在員事務所設立)や、弊社のサービスについて、ご質問などございましたら、いつでもお問い合わせ下さいませ。



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