ベトナム レンタル工場リースの最新ガイド 2025年版

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レンタル工場でベトナム投資の新しいステージへ

ここ数年、日本企業の間で「ベトナムレンタル工場」への関心が急速に高まっています。かつてのベトナム進出といえば、自前で土地を取得し、工場を建設するのが主流でした。

しかし現在では、ここ最近、投資検討企業様より弊社へお問い合わせ頂ける内容もそうですが、工業団地での土地取得(土地使用権の取得)から、投資を抑えつつスピーディーに操業を開始できる「レンタル工場」の需要が拡大しており、製造業だけでなく物流・IT・サービス業にまで裾野が広がっています。

2025年のベトナムは、単なる「低コスト生産拠点」ではなく、サプライチェーン多様化の「戦略的な製造・物流ハブ」として位置付けられるようになりました。米中摩擦や世界的な供給網リスクの高まりを受け、欧米や日本企業がベトナムに次々と拠点を構築しているのはその象徴です。

2025年現在、製造業への外国直接投資(FDI)は過去最高水準を更新し続けており、特に北部ハイフォンやバクニン、南部ドンナイやビンズンといった工業団地には、変わらず世界中の投資家が注目をしています。

そのベトナム投資の中心にあるのが「レンタル工場」という選択肢なのです。

しかし、実際に工場を借りて事業を展開するには、日本とは異なる商習慣や法制度を理解することが不可欠です。

本項では、ベトナム レンタル工場リースの最新ガイド 2025年版と称して、ベトナムでのレンタル工場運営(FDI投資)を検討する日本企業様向けに、「契約・法務上の留意点」、「インフラ・立地条件のチェックポイント」、「価格帯の目安」等、お役立ち情報をご紹介いたします。

工場レンタルの実態:単なる「場所」ではなく「事業の基盤」

ベトナムにおけるレンタル工場は、単に屋根付きの建物を借りるという概念を超えています。工業団地が提供する工場は、電力・水道・廃水処理・通信といったインフラが整い、場合によっては税制優遇や行政手続きのサポートもセットになっています。つまり、「工場を借りる=事業環境をまるごと選ぶ」ことに他なりません。

そのため、契約条件や立地、提供されるサービスの範囲を正しく理解しないまま進めると、想定外の追加コストや法的リスクに直面する可能性があります。


契約・法務上の留意点

  1.  契約主体の信頼性
    工業団地の開発会社が国営か民間か、または外資合弁かによって、契約安定性や交渉の柔軟性に違いがあります。土地使用権の範囲、登記状況の確認は必須です。

  2.  リース期間と延長オプション
    ベトナムでは3~10年の契約が一般的ですが、近年は短期利用のニーズも増えています。撤退リスクや操業計画に応じて、延長・中途解約の条項を明確化することが重要です。

  3.  事業ライセンスとの整合性
    投資登録証明書(IRC)や企業登録証明書(ERC)に記載された事業内容と、借りる工場の用途が一致していなければ、ライセンス取得自体が認められない場合もあります。

  4.  消防・環境規制への適合
    ここ数年、消防安全基準や排水規制が急速に厳格化されました。建物に認可が下りているか、追加工事が必要かを事前に確認しなければ、操業開始が大幅に遅れるリスクがあります。


インフラ・立地条件のチェックポイント

  •  電力供給の安定性:大規模工場では高圧電力が必要となるため、団地内の供給能力を必ず確認する。

  •  給排水と廃水処理:食品・化学系の製造には特に厳しい排水基準があり、団地側が対応できない場合、自社で処理施設を設置する必要が生じる。

  •  物流アクセス:北部はハイフォン港や中国国境、南部はカットライ港や将来的なロンタイン空港とのアクセスが強み。完成品輸送だけでなく、原材料の調達動線も検討する必要がある。

  •  労働力確保:都市部に近いほど人材採用が容易だが、人件費は相対的に高い。地方は安価だが労働力確保や教育コストが課題。


実務上の注意点

  •  隣接工場との関係
     騒音・振動・排気などの環境面でトラブルにならないか。

  •  保証人・担保要求
     借主が外資企業の場合、保証金や追加担保を求められることがある。

  •  現地管理体制
     設備トラブルや行政手続きに対応できる現地人材を確保しておくこと。

  •  賃料体系
     平米単価だけでなく、共益費、管理費、VAT(付加価値税10%)、保証金(通常3〜6か月分)を含めた総コストを把握。

  •  インフラ利用料
     電気・水道料金が団地によって割高なケースがある。単価体系を事前に確認。

  •  改修費負担
     内装・設備工事費用の負担区分、退去時の原状回復条件を明確にする。


レンタル工場 価格帯の目安(2025年最新)

:  ローカル運営レンタル工場(インフラ未完備):3~4 USD/㎡/月
:  ローカル運営レンタル工場(インフラ完備):4~5.5 USD/㎡/月
:  外資運営レンタル工場(インフラ完備):5~7 USD/㎡/月

→ 例えば、平米単価5USDのレンタル工場だと、
3,000㎡規模の工場であれば、月額15,000 USDが一つの目安となります。

なお、いずれの地域に所在するレンタル工場においても、契約書上に年率5~10%の賃料値上げが明記されております。そのため、長期契約を締結される際には、将来的な価格上昇リスクについても十分にご考慮いただく必要がございます。

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最新トピック:2025年の注目動向

  • 外国直接投資の急増
    2025年前半だけでFDIは前年比+30%以上を記録。中国リスクを回避したい欧米・アジア企業の進出が背景にあります。

  • 巨大物流倉庫の登場
    中国系ファッション大手企業がホーチミン近郊に15ヘクタール規模の倉庫を確保。米国関税リスクを回避する戦略的布石として話題を集めています。さらに、将来的に成長が見込まれるEC業界の拡大を見据え、全国各地でEC向け物流倉庫の整備が進んでおり、今後の物流インフラ需要の高まりが期待されています。

  • インセンティブ競争の激化
    地方政府は企業誘致のため、法人税免除、土地使用料の減免、インフラ補助など多様な優遇措置を提供。特に中部や地方都市は「第二のハブ」として存在感を増しています。


レンタル工場選定に関わるアドバイス

  1. 価格比較ではなく事業適合性を優先
    単に安い工場を借りるのではなく、サプライチェーン、輸送、労務コストを含めた総合的な事業環境で判断すること。

  2. 短期 vs 長期リースの戦略的選択
    初期市場調査には短期リース、拠点化には長期契約が適切。長期契約では価格上昇リスク回避のメリットも大きい。

  3. 将来インフラの完成を見据えた立地選び
    例:ドンナイ省はロンタイン国際空港が完成すれば一大物流拠点となる可能性が高く、先行投資を検討する価値あり。

  4. 規制対応に強い現地パートナーとの連携
    消防認証、環境認可、労働管理は外国企業にとって最も時間を要する分野。信頼できるコンサルや弁護士と連携することが必須。

未来を創る“レンタル工場選び”から始まるベトナム展開

2025年現在、ベトナムでは「ただ借りる」から「戦略的に活用する」へと工場リースの考え方がシフトしています。ベトナムへのFDIの増加や政策支援、インフラ投資が相まって、多様な選択肢が広がる中で、日本企業が差別化を図るには、単なるコスト比較ではなく、“中長期的視点に基づくロケーション戦略”と“規制・行政対応の堅実な準備”が不可欠です。当社では、工業団地ごとの個別インセンティブ、契約交渉、インフラ整備状況など、詳細な比較検討資料もご用意可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

ベトナムでの工場レンタルは、単なる賃料比較ではなく、「事業戦略の一部」としての選択です。2025年現在、賃料は上昇傾向にありつつも、政府のインセンティブ、労働力の豊富さ、地域ごとの成長ポテンシャルを考えれば、依然として非常に魅力的な投資先です。

日本企業に求められるのは、短期的なコスト視点だけでなく、長期的なサプライチェーン戦略や市場アクセスを踏まえた立地選定です。当社は、工場の紹介にとどまらず、契約交渉、規制対応、インセンティブ活用まで包括的にサポートいたします。

MEIKEI(ベトナム進出サポーターズ)の強み

弊社は創業以来、数多くの日系・外資系企業様に対し、ベトナム全土における「レンタル工場」のご紹介とサポートを行ってまいりました。

これまでの実績は、「ハノイ」「ホーチミン」といった主要都市周辺だけにとどまらず、「北部の東北地域」「紅河デルタ」「西北部」、さらには「北中部」「中部」「南中部」「中部高原」、そして「メコンデルタ」に至るまで、ベトナムのあらゆる地域を御提案して参りました。

沿岸部や山間部、さらには人口が少ない過疎地域に至るまで、お客様のご要望に応じたレンタル工場をご提案してきた点は、弊社ならではの「大きな強み」です。

特筆すべきは、日本の公的機関が発行する資料やレポート上では「工業団地が存在しない」とされているエリアにおいても、弊社は独自のネットワークを活かして現地調査を行い、実際には外資企業が投資可能な工業団地やレンタル工場を見つけ出し、具体的なご提案を行ってきたことです。
これにより、他社では入手できない情報や進出機会をお客様にご提供でき、立地の選択肢を大きく広げることに成功しております。

また、弊社は単なるレンタル工場の紹介にとどまらず、「工場選定から契約、設立登記、ライセンス取得、労務・税務・会計サポート」まで、ワンストップで包括的に対応できる体制を整えております。

工業団地のインフラ状況や物流アクセスの調査、地方政府との交渉支援、さらには進出後の運営サポートまでを一貫して行うことで、お客様が安心してベトナムで事業展開を進められるよう全力でサポートしております。

これまで培ってきた豊富な経験と独自のネットワークにより、弊社はベトナムレンタル工場の開拓実績において、他にはない独自の強みを有しております。特に、他社が取り扱わない地域や案件にも積極的に取り組み、常にお客様に最適なご提案を追求してまいりました。

ベトナムでレンタル工場をお探しの企業様にとって、弊社は信頼できるパートナーであり続けることをお約束いたします。ぜひお気軽にお問い合わせいただき、御社の事業展開にお役立てください。